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有料無料に関しても,先行アプリの検討を行ないました。
駅探エクスプレス 有料(350円)
BusStop 有料(115円)
駅.Locky 無料(研究活動協力による代替)
この他,路線系のアプリ等も有料無料が混在している状況です。それぞれの事情によって値付けがされているのが分かります。残念ながら利用数などは不明です。
iPhoneアプリの販売動向やダウンロード数などの情報は,開発・配信者以外には正確には分からないので,おおよその範囲でしか情報交換されません。
ただ,有料アプリと無料アプリのダウンロード数は桁違いで無料アプリの方が多いという傾向は明確です。さらに,アプリの評価によってもその数は強く影響を受けます。この類いの話は,アプリ開発者や業界にとって常に気になるもののようで,ネット上にも様々な見解や報告が披露されています。
ROTを開発したcon3 Officeとしては,できるだけ多くの方々に利用していただきたいと考えています。また,最初にリリースするiPhoneアプリですので,広く使っていただき評価・フィードバックをいただくことで,改善改良していくことが望ましいだろうとも考えました。
利用者の皆さんには,まず無料アプリとして提供することとしました。
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ただここで,もう少し深く考えを進めさせていただければと考えています。
皆様にアプリを無料で提供することで,多くの利用者を得るという願いを叶える目処は立ちます。
しかし,アプリ開発や提供は,本来無料で行なうことはできません。有料アプリが有料である理由やその内訳は様々だと思いますが,提供されたものに対価を払うという構図は決して不自然なものではないと思います。
iPhoneアプリに関して,その値付けの高低が話題になります。ご存知のように,App Storeには10万個ものアプリが並ぶようになり,有料アプリは有料アプリ同士の価格競争のみならず,出来の良い無料ソフトとも闘わねばならない状況です。結果的に,多くの有料アプリが115円や230円といった価格で提供され,それでも売れないと噂されています。
アプリの収益化。App Storeで大きく望むことは大変至難の業となっています。
しかし,開発にかかった経費の回収,あるいはアプリの持つ価値に対する正当な対価,そして,そこから次の創造活動に繋げていくという連鎖について,このご時世だからこそ大切に考えてみることが必要なのではないでしょうか。
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con3 Officeは,大学の研究室である「りんラボ」が展開している「iPhoneあしながプロジェクト」との連携をとるように動いています。
「iPhoneあしながプロジェクト」は,学校教育に関心があり,教育が情報化することにも,ちょっと期待している人たちの参加を得ながら,学校向けにiPhoneやiPod touchを貸し出して使ってもらうことを目指しています。
国や地方自治体が整備するパソコンや電子黒板といったお堅い事業だけでなく,iPhoneのようなワクワクするデバイスを好きなように使ってもらい子どもたちと参加者との交流活動も織り交ぜることで人と人とを繋げる「私たちの教育の情報化」を生み出していこうという取り組みです。
当然のことながら,このプロジェクトには運営資金が必要です。そこで,仕組みとして今回リリースするROTから収益を得て,プロジェクト資金に充てようと考えました。
そのためにはアプリを有料化するか,もう一つはアプリ内広告を導入するという選択でした。そして,皆さんに無料で提供することを目指す以上,必然的にアプリ内広告の導入を選択することとなったわけです。
微々たる収益化も知れませんが,まず初期の30万円を目安にROTのアプリ内広告の収益をiPhoneあしながプロジェクトに活用させていただきたいと考えています。どうぞご理解ください。
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アプリ内広告に関しての選択肢はいくつかあります。
今回ROTで導入したのはAdMobと呼ばれる(広告代理店)会社のアプリ内広告システムです。
実のところ,アプリ内広告によって,どれほどの収益が得られるのか不明です。AdMob社が採用している広告価格は入札方式と呼ばれるものだそうですが,勉強不足のため,その仕組みによって結果的に広告と広告量,および広告掲載料(クリック数)などの関係がどう調整されるのか分かりません。
日本にもアプリ内広告システムを提供する広告代理店が登場しています。こちらは広告掲載(表示)毎に0.5円が支払われるというスタイルだそうです。収益の高くなりそうなお話しですが,アプリ内広告を掲載できるかどうかの条件や審査もあるため,そう簡単に収入を得られるわけではなさそうです。
米国ではGoogleも独自のAdSenceという広告システムを拡張し,アプリ内広告のシステムを実験中であると聞きます。日本でもGoogleの広告量は増えつつありますので,こちらが日本に上陸するときには注目です。ただし,こちらもアプリがそれなりに利用されることが導入条件であったりしますので,そもそも人気アプリでなければ難しいようです。
一部では広告収入によって高額を稼ぐアプリもあるとの報道もありました。しかし,それらは米国市場向けのワールドワイドなアプリのお話し。日本に場所を絞ってしまうと,そのお話しは何百分の一以上も小さくなると考えた方がよさそうです。
昨今,雑誌などではiPhoneアプリやモバイルアプリで起業あるいは一獲千金を狙えるといった記事も散見されます。そこでも同じように「世界リリースを視野に開発を」と呼びかけています。それでもビジネスとしてはまことにリスキーなお話であり,やはり夢負いイメージが抜け切れません。
con3 Officeは,どちらかといえば教育と研究における夢追い活動をしている部分が大半ですので,そういう意味ではiPhoneアプリによる収益の活用も,商業的な意味合いから少し距離を置いたうえで採用できるのではないかと考えています。また,アプリ内の広告はできるだけ画面に馴染むようにプログラムしたつもりです。
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さて,最後の余興として,想像上の収益計算をしてみることにしましょう。
ROTはどれくらいの利用者に恵まれて,どれくらいアプリの利用回数が見込めて,アプリ内広告の収益がどれくらいになるのか。捕らぬタヌキの皮算用をしてみることにしましょう。宝くじを買ったときにする,あの妄想です。リリース前の,あくまで空想遊びですので,冗談と思ってください。
日本のiPhoneユーザー数も正確な数字は公開されていない。事情通の人々によると100万は超えて200万ユーザーに届くのではないかと言われている。
ある調査によれば1ヶ月に1回以上ダウンロードするユーザーは調査対象者の6割というので,少なく見積もって100万iPhoneユーザーの6割,60万ユーザーがアプリをダウンロードする可能性があると考えるところから始めよう。
ここからROTをダウンロードしてくれるユーザー数を想像するために,同じ調査のジャンル別のダウンロード経験の割合を使うことにしたい。まずナビゲーションカテゴリの無料アプリをダウンロードした経験を持つユーザーは23.3%,さらに旅行カテゴリの場合は10.1%となっている。中央値をとって「16.7%」のユーザーがダウンロードすると仮定しよう。するとROTの関連ジャンルをダウンロードするユーザー数は100,200となる(約10万)。
さて,この中で時刻表を通勤通学で使う可能性のあるユーザーの割合はどれくらいだろうか。利用者像の調査が分かるとよいのだが,全体的な利用者構成をまとめたものが見当たらないので,こちらの調査のiPhone利用時間帯の質問に「通勤通学直前」と答えた割合を使うことにしよう。これが36.4%であり,3万6千強という数字となる。
しかし,この数字は自動車や自転車の通勤通学者も含んだ割合かも知れず,電車やバスを利用する割合がどれくらいかを考えなければならない。そこで検索するとH12年度の国勢調査をもとに作成されたこんな資料[pdf]がみつかる。有り難く参考にさせていただくと,乗り合いバスと鉄道・電車を移動手段とする割合は,平均で「7.3%」と「3.2%」だという。合わせて「10.5%」として,先程の数字に掛けると3,829と少数という数字が出てくる。
この約3800名の方々がROTの利用者候補というわけである。
それではアプリを継続利用してくれる人々はどれくらいいるだろう。こんなデータ紹介がある。曰く「長期的に継続使用する割合は全体のわずか1%に過ぎない」。よって,約3800名の利用者候補の中でROTを継続利用してくれるのは38。約40名の継続利用ユーザーを獲得する計算になる。
まあ,少し甘く考えてROTは50名の熱烈な長期利用者を獲得したとする。
50名の利用者が,ROTを平日の行きと帰りに1回ずつ使用すると考える。
ひと月の平日は月から金の5日間が4週あると考えて20日とする。
20×2×50 = 2000回の起動
広告掲載カウントが起動1回につき1回とすれば,2000回の広告掲載をしたことになる。もし仮に無条件に1回0.5円を支払ってくれるアプリ内広告システムなら,月に最低1,000円の収入が入ることになる。
よって,年間の広告収入は12,000円(税引かれる前)といった結果だ。
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以上,ちょっとお遊びが過ぎましたが,アプリ内広告はクリックされてナンボというところもあるので,計算過程のいい加減さは別として,ひと月に50名の人々がクリックするというイメージは,もしかしたら正しいのかも知れません。(どちらにしても,今回のお話しは数字を使ったお遊びですので,まったく根拠はありません)
とにかく,実際にはもう少し利用者が多くなってくれると嬉しいです。
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